治療を行う場合に最も重要な事は、正しい症状又は状況の把握です。 師匠は「聞こえない声を聴け」と教えました。
「聞こえない声は、聞こえない」と その後、30数年の治療師をして参りました。 今やっと、「聞こえない声」の存在が解る様になりました。
人と人の間を人間と言います。 その間には、表現と認知もしくは理解と言う作業があります。
患者さんは表現、言葉による症状の訴えです。 痛みは、数字になりません、場所も正確に表現すると難しい作業です。
その為、心を砕きながら、心配しながらの表現です。 言葉の意味するところをしっかりと聞く事が大切です。
治療師は、理解、認知です。 「言葉に出来難い症状を正しく理解する」能力が必要です。 三叉神経痛の患者さんの奥歯を2本も抜いた歯科医もおります。 ご自分の甘さから「正しい症状」を把握できなかった事件です。
「聞こえない声」とは、心の声であり、身体の声です。 もの言わず、語る事をしない世界。
皮膚上の気の世界であり、想いの世界の声です。
でも、感じる事は出来るのです。 そして感じて受け取る必要があるのです。
「なんと、気の利かない」「気配りがない」 「気が付かない}等の言葉は此処からきています。
治療師にとって都合の良い言葉は、よく響きます。 でも、嫌な言葉や自信無い症状のお話は聞こえません。
耳は自動的に「雑音消去」をします。 不必要な音を消去して、重要な音を拾う行為です。 それは心が自動的に行う「言葉消去」です。
「治せないで治療費を請求するのは、詐欺行為だ」と 、
治療師は心で言葉の消去して聞こえず、文句に切り替えます。 患者さんは、有り難いお話だと良く聞こえ心に響きます。
師匠の「聞こえない声を聴け」の言葉を 治療師として「思いを大切に受け取るように聴け」と自分に念じます。
「患者さんの言い分を聞いていない」 「患者さんの想いを自分の心に響かせていない」
そんな間違いだらけの中、今日もひとつ聴かせて頂けたと 有り難い治療師生活の中にいます。
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